句集「蓮の実」2023-

最新作品
2023年 2024年

2023年

 ネットにて縁ありと買う寺守り 1/1

 近況を知らすは四人年賀状 1/1

 おせちセット分け食むはずの一人前 1/1

 寒椿サロペットの子が走る道 1/3

 正三日車道に列なる地元宮(ぐう) 1/3

 白梅の二つ三つなる詣(も)で帰り 01/03

 若者へ平和を託す寒卵 01/07 (俳句ポスト投稿句)

 社会主義の亡霊残る冬芒 01/07

 干し柿の甘さや口に残したき 01/16

 鳶が二羽ゆうゆう円描く曇り空  01/17

 温もりや優しく耳が近づきし会話に慣れぬ我が無器用さ 01/19

 冬曇り夜は妖しき繁華街 01/19

 「テオリア」の名残わが家の湯たんぽ 01/19
(「テオリア」は1989年発表の小椋佳さんのアルバムタイトル)

 行く道を照らしておくれ白梅よ 02/07

 春立ちてあの飛び梅は健在か 02/07

 ③理不尽が溢るる世界白き梅 02/07

 春の朝ぬくくなりたる空気の香 02/17

 恋の無き年月よ鳥雲に入る 02/09 (俳句ポスト投稿句)

 桜花揺れて柳と淵の上 03/27

 弥生末千鳥が淵の貝塚碑 03/27

 鴨数羽浮かんで潜る花の淵 03/27

 花冷や血圧測る歳の吾 03/11< (俳句ポスト投稿句)/p>

 花冷や引越業者の大型車 3/11 03/11

 紅つつじ風 般若心経を読む 04/07

 ふさふさと白はなみすき風に揺れ< 04/07

 スーダンの戦火鎮まれ麦の秋 5/2

 ひるがえる遮光カーテン麦の秋  5/6

 春雷や特急列車が過ぎる駅 5/11

 亡き母へむらさき光る竜胆を 5/14

 いずれ消ゆ人の記憶やレモン水 5/22

 白あじさい笑い上戸の吾はいずこ 6/18

 雷鳴やこの小説はむずがゆい 07/11

 クレーンで建材運ぶ人も夏 7/11

 彼岸花ひかげ涼しき日も近し 08/06

 古民家の跡地うすべにの秋桜 8/13 (俳句ポスト投稿句)

 小さき掌(て)を振るる子と逢ふ黄秋桜 9/14

 生涯を迷い疲れて彼岸花 8/5

 その生を辿る書を読む子規忌かな 9/19

 赤信号幹線道を切る蜻蛉     09/22

 (小椋佳コンサートにて) 
 幾山河越える仲秋の名月 9/30
 アフガンのかつての平和星月夜 10/1
 友の娘(こ)が大人になりて秋の風 10/1
 地下鉄はライトとレイルを曲げていく 10/1

 「ダークダックスを偲ぶ)
 星月夜まだ歌声は聞こえくる 9/27

 職人が切子の猪口で呑む新酒 10/03 (俳句ポスト投稿句)

 (谷村新司さんを偲ぶ)
 桜蘂降る東アジアの土の上 10/19

 街角におめかしもせず秋の薔薇 10/24

 露寒し都電は扉閉めて出る 11/18

 礼状を書く霜月の日曜日 11/19

 土の霜地球(ほし)が口笛吹きしかな 11/18

 赤信号幹線道を切る蜻蛉 10/8

 白樺を焚くゲルのそば犬眠る 10/26

 露寒し都電は扉閉めて出る 12/7(おウチde俳句くらぶ《人選》)

 小さき手を振る子と黄花秋桜と 12/7(おウチde俳句くらぶ《人選》)

 足場板乗せて軽トラ寒椿 12/18

 蚤の市ウランガラスの緑の灯(ひ) 12/31(おウチde俳句くらぶ・人選)

 未成熟な柿がツルンと皿の上

2024年

   初詣にて
  蒼穹に千木輝く初御籤
  甘酒熱し仮の社務所も賑わひて

 初詣仮の社務所の甘酒よ

 犬通る詣での道の返り花

 ブロッコリー畑のまんなかに仔猫 1/15

 越年や老斑うすく始まるる 1/15

 梅つぼみ未知なる近所の帰り道 1/15

 冬姫の裾の跡かな雲の空 1/19

 午後二時半模擬店の昼パン一個(おウチde俳句くらぶ・並選)

 友と割く銅鑼焼き一個そら高し(おウチde俳句くらぶ・並選)

 野追い越し山追い越して冬の雷

 小米雪母の形見の柘の櫛 2/5

 雪おこし香り探している都会 2024/02/06

 パソコンのコードの絡み二月尽 2/13

 七色のシャンプーの香よ春隣 2/15

 春三日月恋を途中下車せし君よ 2/18

 組み木めく代々木の坂道木の芽晴 3/3-6

 友と割く銅鑼焼き一個そら高し(おウチde俳句くらぶ・並選)

 午後二時半模擬店の昼パン一個(おウチde俳句くらぶ・並選)

 花曇りロケ地の駅も廃線す 4/6

 ハマッコは豚の角煮さ山笑う 4/13

 ぽたぽたの雨に急ぎし花の道

 空高し村浄瑠璃の太鼓の音(ね)

 水鳥の波紋掘りに風流る 4/22

 新緑や風に輝く堀の水 4/22

 桜桃や大盛りパフェを囲む声(おウチde俳句くらぶ・並選)

 古民家のカフェ軒下へ来る燕(おウチde俳句くらぶ並選)

 川が舞台からだに響く大花火(おウチde俳句くらぶ並選)

 蝙蝠や塩鉱山の壁蒼し

 パリの市西瓜にかける塩選び(おウチde俳句くらぶ並選)

 ハロウィンや魔女の鍋には赤き塩(おウチde俳句くらぶ・人選)

 紫陽花がひとつスタジアムの帰り

 新しき眼鏡を買いて立葵 5/24

 新しき老眼眼鏡空の夏

 とんととん祭り太鼓や道の駅(おウチde俳句くらぶ並選)

 缶コーヒー呷るドライバ夏北斗(おウチde俳句くらぶ・人選)

 五月雨やすべての緑が風に揺れ 7/1

 (小椋佳さんのファン仲間で集まって、白虎隊の話題も出たので・・・)
   生ビール幾年月の同志達 7/7-8
   新宿のビル群地下の生ビール

 盛りなる葉より突き出る百日紅 7/22

 浅間山噴火一面の秋桜(おウチde俳句くらぶ・人選)

 名にし負はば星砂見せよ秋桜よ(おウチde俳句くらぶ・人選)

 オイキムチの胡瓜バリボリ噛む耳へ 8/2

 ひょろ長く伸びし向日葵青空へ 8/5

 落丁の童話の続き夏の蝶

 室内の設定温度秋隣

 碧眼のパティシエ挑む柚子のジャム

 お茶席の練り切り餡子に潜む柚子

 葉から葉へ羽ばたく不思議黒揚羽 8/27

 空蝉や父と暮らせし家の跡 8/27

 雪降れば気も紛れるのに冬木立

 冬隣ふもとへ下りる放牧牛

最新作品

 秋うららChromebookなる老後

 絵葉書の街は眩(まばゆ)し十月尽 10/31

 過去のみが浮かぶ句会や秋曇り 10/31

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