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中庸に 心をくだけ 花つぼみ 風の音する 立春の頃 1/24
降り積もり 降り残る雪 紅梅に 友を偲びて また降り積もり
世に絶えず 人掻き立てる 緊張音 不安定音 また変調音 3/14
白梅を あちらこちらと 舞うひばり 蜜を啄み そよかぜまだか 3/18-,23
平成26年6月9日(月)夜明け頃に珊瑚樹の 花降りくるや 雨上がり 6/10
葉から花 あれよという間の バンマツリ 華やかながら 清涼さ秘め 6/16
華やけき 香り夜に降る バンマツリ 感覚生き方 星の数ほど 6/23
我が家も 少し綺麗に 暮らしみよ 草木の緑 竹製の棚 6/23
深まりぬ 喪の返礼と 栗の花 6/28
できしより 願うことなお 多すぎて 今年も黒き 笹月きたれり 6/30(2015/04/04改)
戸を開けて 珊瑚樹の赤 溢れくる ツクツクボウシの 鳴き暮るる頃 8/26
後々の 歌託せらる 君あれば 願う我が身も 老い近づきぬ 8/30
空高く 推し量られる 君あれば この直感も 幸いなるらん 9/12-23
懐は 強固と思えど 我もまた 不器用抱え 過ぎ来しければ 9/25
薬切れ 眠れぬままの 秋の夜 我が身ひとつの 物理現象 9/25
みえぬもの 実在を追う 探偵と まぼろしの恐怖 闘う我と 10/16
輝ける 月と星座を 追い求め 錫杖の音 響き続ける 10/24
霜降りて 皺よる椿に 差しのべる ぬすびとの 手は柔らかき 10/28
黒のみで 埋もれる手帳 大人びて 時節は多彩に パーソナライズ 11/3
黒スーツ 髪束ねたる 女子社員 颯爽として 秋風の吹く 11/4
店先に アメリカンドッグ 残りおり 大灯台に 遊びしあの頃 11/5
琵琶の音に 相聞絶えぬ 気配する 黒漆色に 君進みゆく 11/7
腕萎えて 一度はペンと 決めたはず ガットギターで 喚び戻す秋 11/8
秋深く食器の棚に光さす食べる人亡き隙間の奥に 11/17
絹かかる空の眩しき日の光風を感じて人走り去る 11/17
秋風の路地陰低く柘榴なる枝振りに合うその実の小ささ 11/18
秋の風小さき柘榴の実るなり人の通れる路地の木陰に 11/18
葱の芽が伸びる生命(いのち)の不安満ちて仏の掌にぞ安み入るかも 12/1
プラタナスがらんばさりと降り散りぬ地球がひとつ宇宙に浮かぶ 11/18,12/1,12/12
もみじ葉彩り匂う時の織(おり)紡ぎてうたふ世の命をぞ 12/9-12
おぼろなる空に月照る十三夜過ぎ越し時を映してやまず 12/9
花園や色紙貼れる教室がそのまま過ぎる眠りのなかでは 12/29-31
六日朝正月の菊開ききる静けき普段の日々の始まり 1/6-11
年礼の声みな早口で繰り返す普段の知人も能面と化す 1/10,11
血圧の下が高いと言いおきし母と同じく五十路過ぎぬ 1/10,11
不器用はお互い様の君だけは気配感じる幼き我も 1/18-20
籠車散歩の児らはみな眠り空行く風に梅やほころぶ 1/20-29
整形外科病棟にて試みにジャズアルバムを二つ聴き易き一つは物足りなくて 3/29
先つ君愛もて夢ぞ溢れくる夜桜はなお美しかりし 3/31,4/4
何事か我が身も役に立ち得るか問うている間も花散らしの雨 3/31,4/4
花曇り今夜は皆既月食といわるも急ぎ言葉とどむる 4/4
ひとつなる人智及ばぬ存在の中に溶け浮く花水木の赤 4/21,23
もみじ萌え桜葉輝く初夏の風互いに鳴り合う存在施を聞く 5/5-6
薄茶色羽根を揺らして行く羽アリ嵐来る前に巣を掘っておけ 5/12
花曇り今夜は皆既月食といわるも急ぎ原稿を書く 4/4
先つ君愛もて夢を彩りぬ夜桜はなお美しかりき 3/31,4/4
何事か我が身も役に立ち得るか問うている間も花散らしの雨 3/31,4/4
三度四度三度四度に鳴くカラス幾度も鳴いてそはカラス語か 6/4
空一色水一色に漂いてすべて為るなり丸窓ひとつ 7/9
来年の手帳の知らせ来ししかど夏の盛りや言葉の停滞 8/12
野の花の多くの縁を過ぎ越して行脚となりぬこの世の旅は 8/16
美しき夢を湛える君ゆえに秋の虚空に舞い続けよ鷹 8/20,10/13高温のあまりに猛き夏過ぎて木々の緑が雨に映え染む 9/10
涼やかに葉も濃くなりやバンマツリ猛き暑さも過ぎいきししに 8/27
人知れずマグマの龍が地の底を蠢く国のもとに生まれし 9/14
秋一人髪さやがせてどっぷりと真赤な椅子に座りいるかも 9/16
秋の日の静かさに舞うシジミ蝶在り様近き露草に寄す 9/23
希望をや薄雲のなか虹纏うスーパームーンの夜は静けき 9/28
琵琶の音を掻き分け聴きぬ神無月世は喧騒に軽く過ぎ行く 10/5
残り葉に恋に久しき吾も風に軽くそよけくボブショート想う 10/18
柿色に暮れゆく空と黒き森今も静かに時は過ぎゆく 11/3
セメントの巨大な建物多き街力のみ見る今のこの國 11/12
冬の陽や街に紅葉が映えて照るこれより年賀の葉書を買いに 12/15
世の中が静まり行かん梅が枝に蕾芽生えてふくらむを期す 12/16
津軽出の叔母は苹果を一袋口べたなりの心なるかな 12/20,28
初春や世は平らかに健やかに移ろいゆくも星の瞬き 1/1
桜花草書のごとき息遣い君を思いて悔いなく過ごさむ 3/16,17
手術入院
手術すぐ記憶おぼろげ目眩して幻覚の故に無眼耳鼻舌心意
牛乳を口に含みてまだこの世彼岸とはかく至るかな 4/7
過ぎ越しし心の凝りと見ゆるかも灰色の雪とはこんな感じか
日々が過ぎつつじふくらむ窓のそと空(くうの中を空一歩ずつ 4/14
桜桃のその種苦く実は甘く去りゆく人と巡り逢う人 7/10-15
炎天下葉の繁くある桜道白き切り株ひこばえふたつ 8/16-17
花売り場ホオズキ一本残りおり嗜み方もいつしか忘れ 8/16-17
幾日か咲き残りたる菊の花深く静かに一日(ひとひ)暮れゆく 9/3
絹の糸 なお繋がりぬ ひたすらに まんざらでもなく 秋の夜の月 11/12-16
霜月や 雪の白さに 街眠る 11/28-29
秒針や 逢いたい人ほど 擦れ違い 触れては融ける 六花水晶 11/28-12/1
はつはるや 縁を紡ぐ 紙の鶴 君に送らむ 扇に載せて (年賀)
あれこれと 思い返さる 甘酒を まるで明日が 最期のごとく 7/23
生き急ぎ死に急ぎても星雲の端なる星のただのひととき 11/5
思い出はほぼ家族のみ海平線ベイブリッジに埋め尽くされぬ 12/21
遠き友行き方激しく追いつかず逝きしもなお我おぼつかず 12/10
曇り空さくらかえでの木の根元南無阿弥陀仏の雪の華めく 1/12
新しきアルバムの歌あれこれとトパーズ色に煌く春空 4/8
花ふぶき歌と友した半生を何者ならず納得しつつ 4/13
萎えてきて穏やかな日は満ち眠る我が身に収む曼珠沙華紅 10/10
朝早く目覚めて開く画面にて我が内に在る恋物語 10/11
筆進む星の世界の物語 年重ねては心のままに 2020年賀状
コンビニのすき焼きうどんに母思う ささやかながら初詣の日に 1/3
富士の影西に映して初茜 空には明星とんとん暮るる 1/3
我が星座宵の明星囲むらし 正月三日のひとりの部屋で 1/3
年頭に読み続けるは「ブッダ伝」作品の為また後の為 1/3
今の世は行間の妙なかりけり歌にもまほし文学性を 1/27
人の世を責め立て降るや槍の雪サクラ少なき弥生土曜日 3/14
現代の説話を編みて二年過ぎ更に増えるる患いなれど 3/14
ゴキブリがカップの縁乗り水を飲むそれほど酷なこの地球(ほし)の夏 6/16
手が出せぬ昆虫嫌いの吾の前ゴキブリさえもが猫めきて呑む 6/16
水無月という名の菓子は清々し夏来る前の予感の味か 6/30
何事も無く過ぎ去りぬ蒼天の梅の枝に蕾探して 1/19
眩しさや桜の花の香り満つ隣町まで食パン買いに 3/20
想い出は風景のみにて沈丁花されども胸は締め付けられて 3/20
倒れれば何とて動けぬ我が身にて作家の意地は署名の手書き 3/20
不便なるこの身になりて二十年ひとり暮らしを続けていこう 3/20
老いるとは 様々なりし 我が身とて いつの間にやら 朝早く起く 5/14
幼稚園 祭り囃子の聞こえ来る 6/26
梅雨ふかし幻日環の彩りは時を待たずに消えゆくものか 6/21
晴天に咲き残りけり百日紅行き交う人々みな無口なり 9/6
古民家は更地へ白き彼岸花 10/1
喪失も時が薄むる虚しさに三叉路過ぎし来し方見つる 11/21
冬晴れや線路脇そば鳩啄みぬ 12/15
招き猫柄の電車はボロ市へ 12/15
落葉期つわぶき伸びるホーム下 03/11 (俳句ポスト投稿句)
「単品で」オーダー久し冬日和 12/17
童(わらべ)めく還暦なれど冬至の湯 12/21
松ぼくり光る街場のクリスマス 12/21
来年の俳句手帳に冬夕焼 12/25
冬の空高く仰ぎて深き青 12/30
買い物は賑やかなりて小晦日 12/30
ネットにて縁ありと買う寺守り 1/1
近況を知らすは四人年賀状 1/1
おせちセット分け食むはずの一人前 1/1
寒椿サロペットの子が走る道 1/3
正三日車道に列なる地元宮(ぐう) 1/3
白梅の二つ三つなる詣(も)で帰り 01/03
若者へ平和を託す寒卵 01/07 (俳句ポスト投稿句)
社会主義の亡霊残る冬芒 01/07
干し柿の甘さや口に残したき 01/16
鳶が二羽ゆうゆう円描く曇り空 01/17
温もりや優しく耳が近づきし会話に慣れぬ我が無器用さ 01/19
冬曇り夜は妖しき繁華街 01/19
「テオリア」の名残わが家の湯たんぽ 01/19
行く道を照らしておくれ白梅よ 02/07
春立ちてあの飛び梅は健在か 02/07
理不尽が溢るる世界白き梅 02/07
春の朝ぬくくなりたる空気の香 02/17
恋の無き年月よ鳥雲に入る 02/09
鳥雲に入る幼馴染みの老夫妻 02/09
花冷や血圧測る歳の吾 03/11
花冷や引越業者の大型車 3/11 03/11
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