宇宙の中の地球 地球の中の世界 世界の中の日本
ほぼ同じ言語体系 同じ文化圏に生まれた君と僕
元素記号のかたまりが生きて 動く
泣き笑い 悩み考え
体が単なる器だとして 生命とは何なのだろう
宇宙空間に
前後左右なく 東西南北なく 上下なし
生命の輝き
大小なく 数限りなく 繰り返し
いつか君と星空を見上げる そんなことを夢みながら
海の
ひとしずくの煌めき
夢の中では少女の私
あの日気づいていればと思うこともあるけれど
それも時の流れ
空に
飛行船 音立てて行く
少女の私が駆け回る
ひとりでも寂しくないとは言わないけれど
あなたのことを思うのは
いつも静けさの中だから
そんな時は心強くて 楽しい
君が野の花見つめれば
それは花がもう一輪あるようなもの
君を見つめ続けることが
今の僕には幸せになる
過去に無駄な日々などないと
君の言葉に僕は頷く
でなければ今ここにこうして
山道を静かに君と二人歩くこともなかったろう
もう少しこちらを向いててくれないか
花ばかり見てないで,さ
そうはいっても合歓の花の美しさにも
心惹かれている僕なのだけれど
空にわかに暗くなり
夏の初めの雷雨
募る 人恋しさ
久しぶりにギターを抱え込む
寄せては返す 波のうねりが
懐かしく 切なく 愛おしい
体の芯に 響く振動を
うちから静かに聴く
遠く旅して たどり着けば
そこは海
そのとき できればひとりでなく・・・
そんな夢の風景
夜明け近くに目を覚ますと
傍らに私を包み込むあなたがいる
そんな想像 してはいけませんか
あなたが考えていることが
なんとなく伝わるような気がする不思議
それはきっと恋する時の我侭なのでしょう
背中からすっぽりあなたに抱かれてる
そんな静かな二人きりの時間が
いつか来るような気がして
もうすっかり冷たくなった秋の 朝の風を感じてる
あなたから受け取ったものは多いのに 私は何もしてあげられない
それなのに そばにいたい気持ちは膨らむばかり
同じ時間に同じ景色を見ていたくて
少しでも近い場所に行きたくて
歌う,ということについて考えてみた。
私の場合,それは鼻歌でふんふんやるということでは決してない。たとえ他の人から鼻歌のように聞こえていたとしても,本人はちゃんと詞を伴って「歌って」いるのである。もっとも他の人の耳に届くようなところでは私は恥ずかしくて歌えないし,はなからその気もないのであるが,時々コンサート会場でもつられて口だけ動かしてしまっていたりもするので,これはあるいは病気のうちなのかもしれない。
実は本人としては,音程を外れているという意識はほとんどなく,普通の歌唱力は備わっているものと相当自惚れている。ただ人前に出せるような綺麗な声質も,歌いこなすだけの音域も声量も,そして何よりも「味」がないのをよく知っている。声の出し方で詞の意味が聴く人にどう響くようになるかは,年相応に経験しているつもりではいるけれども,自分の声になるととてもそんな余裕はないようで,歌っているときの自分は,つくづく自己満足のかたまりだなどと思うほどだ。
昔好きだった歌がある日突然気持ち悪くなったことも,中には自分にとって実は何にもなっていない歌があると気づかされたことも,本当に空を飛べなくなってしまった小鳥のごとく辛くてとても見ていられなくなった存在もある。あるいはこれを成長と呼ぶのだろうか,自分ひとりの心の変貌のせいなのか,対象のせいなのか,あるいはその両方なのかもしれないと思い悩み,しかしそれでもなおその歌たちの庇護のもとで育ち,その影響を受けて何事かを得た自分が,今も紛れもなく存在している以上は,それらを好んで聴いていた日々まで否定したくはない,と思うのである。そのくらい「歌」は生活になくてはならぬもの,と決めている。
歌うということは,詩を朗読するのとも異なる魅力があると思う。それぞれに異なる節がついているのが現代の「歌」である。とはいえ私においては,歌詞が,歌の好き嫌いに関係していて,歌が詩の朗読の延長線上にあるのは確からしい,と今は思っている。
自分の歌を欲しくないかといえば嘘になる。人を待つあいだの歌,人が来たときを想定するのも悪くない。
だから歌える歌は多いほうがよい。
社会は加速度を増している
人はその加速度についていけず
あれやこれや模索する人と
社会に振り回されて右往左往している人と
両方がいるような気がする
宇宙の星の動きと地球の自転の関係で
僕らは時間を認識しているように思ってきたが
実は時間を決めているのは人の心
社会の加速度の中にある 人間自体なのではないか
核兵器から
横断歩道めがけて強引に突っ込む車,自転車
詐欺まがいの通信販売に至るまで
歴史の中で科学は悪用され続ける
それも使う人の心に他ならない
社会も科学も加速するのに
人の心の動きだけが加速されない
むしろ 紛れ 衰えているように思うのは
それほどに社会の加速度が
増しているということなのかもしれない
自由ということは また迷いのもと
生きる方向が不透明なのも確かだ
だが同時に
自由とは 選択できること
社会は加速しても
人の心に加速度はつけられない
置いてきぼりにされるより
自由の意味が変わらないことに気づきたい
遠いところにいるはずの人なのに
何故かどこかが通じ合う気がしてしまうのも
そんな 加速度の付けられない人の心というものの
共通性ゆえなのかもしれないが
何にも増してそれに勇気付けられる自分がいる
社会の加速度を意識することができるのは
そんなとき
ピッケルザイル ランプに飯盒
装備万端整えて 先人の知恵
堅実な一歩一歩 進め
遥かなる頂上を目指そう
億年佇む 稜線からの
彼方に広がる 雲海眺めて
山に抱かれし 花々に
思い託して 歌口ずさむ
夜には何物にも遮られずに
満天に広がる星を見られることだろう
堅実な一歩一歩 進め
遥かなる頂上を目指そう
街路樹に 緑あふれて
あなたを待ちわびる午後
腰掛けた手持ち無沙汰に
片足だけ伸ばしてみただけなのに
まるでいたずら書きしたような動揺
口紅の色を変えて来ればよかった,なんて
独り言して笑われて
隠し通してるはずの一人寝の夢物語
ショウウィンドウのガラスに反射する
木漏れ日のいたずら書き
北の海の水を手に掬えば
透き通る時の重さ
南の海の水を手に掬えば
旅の途中の木の実
東の海の果てを眺めれば
多くの生き物の声が聞こえ
西の海の水面を眺めれば
小波が月に輝く
海は深く広く 人の心を誘う
飲みこまれず 流されず
なおも慕い続けて 秋
瞳の奥に 隠されているものを
知りたくなりました
時の車軸のきしむ音が聞こえてくるけど
あの日は遠かった 二人の距離
あなたと寄り添うようになってからは
距離よりも過去を遠く感じる
時は魔法を使うのかしら
なんという不思議
底知れない海の色が 行き過ぎる風さえも
陽の光を反射している
瞳の奥に 隠されているものを
知りたくなりました
合歓の花の幻 可憐さ
思い返せば あの頃には聞こえなかった音も
今は ずっと近くにある
失いつつあるものも
できるだけ引き寄せて
心 安らかに 穏やかに
星は夢あるいは憧れ
愛は あの頃より近づいているのだろうか
街の灯りの眩しさに紛れることなく
ただひとつの 北極星を見つけ出せ
心の瞳 絶やさずに
恋することを夢見ながら
夢を紡ぎつつ
できあがってきたのは 光の座標軸
紺碧のy軸と 真紅のx軸
それに新緑のz軸を差し込む
汚れていくから消しゴムで消す白ではなく
光の三原色の重なりの白さを広げていくこと
それが視点の基準となり
私にとっての「法」となったのだった
たとえ多少の矛盾と後悔とが含まれてしまったにしろ
三つの光の 交点の輝きよ 永遠なれと祈る
落葉舞う夜
ドラムとベースの無機質な惰性
あふれるばかりの人々 雑踏の横を通り過ぎる
君の暖かさ 不器用なぬくもり
僕はどんなふうにそこにいることになったのか
よく晴れた朝
低い陽射しに 眩しいほどの乱反射が見える
やはり君の意思なのか 言い出せぬ疑問のあれこれ
またもや春を越えるか今年が最後か
もうひとつの願いが心をよぎる
夏に涼み 冬に暖め
風の如くに君は佇む
春に木の葉 秋に木枯し
光と影を 言葉に託す
でき得れば君 溢れくる
理論の花を咲かせ給う
うち寄せる波 遥か海の彼方
人々はそを永遠たらしめん
拙く心もとなき我が身とて
心通う人 幾人かあれぱ
天空に弦の鳴り響き
いずれ眩しき陽も射そう
遥かな海の彼方には
水平線 凛として在り
もし運命の定めなれば
我も海の雪と沈まんとす
あなたに会えない日々のもどかしさに
唯一化粧の 口紅選ぶ
真っ赤は おそらく似合わない
待ち慣れてしまった臙脂色
あなたに会えない日は
何事もなく速く過ぎるのに
腕の中で 見つめ合うほんの数秒は
ひとつの季節いっぱいの記憶
紅い梅と 白い梅とがあるように
それと知らず 連なりあう 夢の実
いつかはじけて 花を開かせる
時のうつろいを見守りましょう
沈丁花の香り涼しく
つつじの蜜を楽しむ 春
鳩の声響く峠道
入道雲の見晴るかす 夏
街路樹のもみじ葉に
石畳 日差しを惜しむ 秋
潮風が木枯らしと混じり
ホットミルクが恋しくなる 冬
春の宵も 夏の夜も
秋の夕暮れ 冬の雨
君が近くにいてくれたら
それだけ多くの 思い出が咲くだろう
マニュアル通りの人たちが
白い空間に挟ままれて
すれ違っていく通路を見ていた
次第に無機質化する街
違和感を増す都市のなかで
遥か伽藍の音が聞こえる
照り返しの海の青さに
またいつか会えるだろうか
あるいは あの海辺で
成長し始めた苗木の如くに
それにしても私はこれから
どんな場所に行き着くのだろう
言葉が見つからないまま
またひとつ太陽が沈んでいく
暖かく 親しく
陽射し優しい 秋の日に
花言葉を探しても間に合わない
心の芯が今にもはじけそうで
嬉しくて 親しくて
陽射し優しい 秋の日に
長い年月の 始まりと今
あれこれと振り返れば
いいこと悪いこと 区別なく
咲き誇り始めた白い薔薇
夢に出てきた お星さま
お月さま 空に浮かんでる
からりからりこ からりこからり
からりからりこ からりこからり
冬の空は 濡れ羽色
あとからあとから降ってくる
さらりさらさら さらりこさらり
さらりさらさら さらりこさらり
この道ずぶずぶ入ってく
どこまでどこまで入ってく
まあるいまあるいまんまるい
あの湖のほとりまで
お月さまも映ってる
お星さまも映ってる
今日は何して遊ぼうか
あなたから見れば
おそらく私はいつまでも子供のままで
香水の似合う大人の女性ではないのでしょう
自分でもそう思うもの
幼さを愛しさと
それがいちばん似合っているのかもしれないし
無理して背伸びすることもないから
幸せと言えば幸せ
ただ あなたの暖かさ 不器用さ
そのまま受け止められる自分は
きっと ちょっと内緒で誇ってる
今年も春 いつもと同じ春
さくら色目映い春 三月
君の明日のために
心を汲み取る勇気
迷わなければ悟りはない
君はまっすぐ視ているか
花や月 山や海や風ばかりでなく
目には見えないものもあることを
虹は幻 夢は影
微笑み それこそが宝
濃いめのコーヒーにルビー忍ばせ
何より君にできる 僕の精一杯の演出
舞台装置は今ここに完成した
積み木細工のレストランで
煉瓦屋根の美しい町並み
僕らはこれからここで暮らしていこう
チーズ屋のおばさんの笑顔や
靴工房の親父さんの頑固な怒鳴り声と
雑踏の中でも 君は君
無心に悩んでも 君は君
分厚いオーバーコート着込んでも
栗色の髪 その瞳 君は僕を射貫く
雪 雪ちらちらと
風 街に吹きすさぶ
あなたの頬に口づけて
暖かい胸に 翼やすめたい
あなたの懐の奥深く
私はいつも泣いてばかり
何故 どうして とめどなく
恋しさ 哀しみ それとも安堵
眠り満ちて 雪の夜の夢
夢まぼろしの 物語
果てなく続いている 物語
繰り返す 繰り返す
梅の花
ただ目を閉じて あなたの胸の中
不自由もなりわいも忘れて 時が止まる
あなたに寄り添い 梅の花咲く
心揺るがす大事件も
大切な想い出も
すべて留めて 時が止まる
心の声が聞こえますか
私がどこにいるかを
いつもあなたのそばにいるのです